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「じゃあ、戦士科の人間らしく一騎打ちで決めるか? 相手はもちろんリエナだぞ?」
「学園一の武闘家を選ぶなんて卑怯ですわよ!」
「ああ言えばこう言って……。わかった。私と寝技の対決をしよう。勝とうが負けようが、最後は私の言うことを聞きたくなるけどな」
「それ本当に寝技の試合ですの!? というか、ワタクシが考えている寝技と先生の考えている寝技に次元レベルで認識の違いがあるように思いますわ! 全くもう……あなたっ!」
鋭い視線が、ぼくのほうに飛んでくる。勝てないとわかってぼくのほうへとやってきたとばっちり感が否めないが、ぼくは視線を返しながら次の言葉を待つ。
「胃袋から制圧するなんて、なんて卑怯ですの! 嫁力だかなんだか知りませんが、殿方全てが胃袋を掴めば落ちると思ったら大間違いですからね!」
「なんか論点がサマーソルトしてどっか行っている上に、ぼく男の胃袋とか掴みたくないんだけど」
「ええい、反論は聞いておりませんわ! とにかく、ワタクシは反対ですの! 殿方と一つ屋根の下とか、不潔すぎますわっ! いいお嫁さんにされたら敵わないので、これで失礼させていただきます!」
いっそ意味のわからないことをまくしたてた後、レフィ・ソルティアさんは居間から勢いよく出ていってしまった。
重たい空気と暗い沈黙。そんな中、フィアさんは笑顔を浮かべながら口を開いた。
「安心しろ。あの子は私がなんとか説得する。キミはここにいればいい」
「本当にいいんですか?」
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