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「礼拝堂にいることも、あるかな」
よかったらおいで、とか、別にそんな言葉を期待したわけではないのだけれど。摂を勧誘するようなことは一言も言わないので、拍子抜けしたのもほんとうだ。
「……また来よっかな」
仕方なく、聴こえるように呟いて、ノアを見上げる。そう、彼と目を合わせようと思ったらこの、顎を少し上げるワン・クッションが必要なのだから煩わしい。
「いつでもどうぞ」
受け入れるというよりは、拒まないニュアンス。いかにもクリスチャン的だと思う。ノアは日差しに眩しそうに目を細めて、鷹揚に頷くだけだった。
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