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 主電源を落としていたらしく、リモコン操作に反応しないテレビに手を伸ばして、スイッチを入れる。点ける必要のない理由がない限り、部屋のテレビは点けっぱなしでいる癖がある。  朝のニュース・プログラムのナレーションを聞き流しながら、ちらちら光量を変化させて切り替わる画面を眺める。日曜のニュースに目新しいトピックはなく、セ・リーグにもパ・リーグにも熱心に応援する球団はないので、ペットボトルのミネラルウォーターを三分の一減らしたのをタイミングに立ち上がった。顔を洗って、産毛程度の存在感のひげに剃刀を当て、髪はタイトにするのをやめてブラシを通すだけにする。ムースをつけるとウェーブがきつくなるので、ラフな恰好にはあまり似合わない。簡単な身支度はすぐに終了し、車のキーを持って部屋を出た。  駅前まで出て、その駅の前を通過して150メートルほど走る。  コンビニの駐車場に滑り込み、車を降りて店内に入ると、見知った顔の店員がレジに立っていた。 「あれ、慧斗(けいと)くんだ」  一見学生アルバイト風だが、正社員、しかもチーフだと聞いている。 「あ。おはようございます」 「おはよー、今日は朝から?」     
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