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 いくら画面に名前が出ているからと言って。彼女らしい、と笑ってしまう。 「うん、元気、メールありがと。さくらちゃんは元気?」 『元気だよ。せっちゃん、今日お仕事は?』 「土曜日は基本的に休み。ひかる元気そうだね。来年小学生? でっかくなったね」 『そうなの、ひかるザウルスだよもう。あ、声聞いてあげて? ほらひかる、もしもしー? って』 「ひかる? 叔父さん、判る?」  まだお年玉のありがたさが判る年ではないが、それでも摂のことは憶えてくれていたらしい。家系なのか、人見知りのない彼と二言、三言話して、さくらに代わってもらう。 『ママ、せっちゃんから』  摂は姉の一家全員に、こう呼ばれているのだ。 「すっごい、しっかりしてるね」 『そうかなあ。せっちゃんの時のほうが、ちゃんと喋ってたよ。ねーえ、せっちゃん』 「うん?」 『ひかるに、いとこっていないじゃない? わたしたち姉弟二人だし、向こう、一人っ子だし。せっちゃんはそろそろ、そんなお話ないの?』  姉が無邪気なのは判るが、この種の質問にはほんとうに、苦笑するしかない。 「おねえちゃん」 『なーに?』 「太ったでしょ」  それから、添付写真を茶化して話を反らすのが精一杯。受話器の向こうから、拗ねた気配が伝わってくる。     
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