絶対服従1

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絶対服従1

 朝から降っていた雪が、昼頃に一度止み、夕方にはまた降りだした。  外塀、植え込み、屋根の上、それから大きなクリスマスツリーも雪を被っている。永遠の命を象徴する緑に、天使の白、自然のオーナメントが何よりも美しいと思う。敷き詰めた砂利の上にも雪が積もっていて、最初についた足跡を後からやって来る人は不思議と辿ってしまうのだ。蟻の行列をイメージさせるラインは、門から礼拝堂まで続いている。それとは種類を異にする轍が、教会に乗りつける車を誘導する役目を果たしていた。  クリスマス・イブの礼拝は、夜の七時から始まる。     
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