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期末テストの採点が終わり、終業式が済めば、自分の職種も忘年会モードに加速する。これまでに参加したのは、バスケ部の後援会関係と職場の忘年会だけだから、すぐ横の営業マンにかけてやれる言葉はどうしたって、模範例を出ないものになってしまう。
「あ」
小さく声を上げた摂が、その、すぐ横のポジションから進み出る。礼拝堂の入り口で、本日のオルガニストが両手を広げて笑っているのに気付いたのだ。
「セツ」
「ララ、クリスマスおめでとうございます」
「おめでとう」
この外面の優雅な男を、母は最近一番のお気に入りに指名している。彼女は外国人の気安さで始めから摂をファーストネームで呼ぶし、人見知りのない摂は何度か呼ぶうちに、彼女への呼称から”先生”を取ってしまった。ノアは苦笑しながら、二人のハグ、そして頬へのキスを眺める。
「来てくれてありがとう」
「こちらこそ、お招きありがとうございます」
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