絶対服従2

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 後部座席の窓から外を眺めて、なるべくなら道を憶えてしまおうと努める。  途中裏道でショートカットを行ったようだが、メインの道路を走ればたぶん、摂の住むマンションには着けそう。料金を払ってタクシーを降りる。集合エントランスのインターホンを押し、入り口を開けてもらい、エレベーターを使うほどの階ではないので歩いて上った。  ドアの前でもう一度、チャイムを鳴らす。  中からそれを開けた摂が、絶句するノアを見上げて首を傾げた。 「どうしたの?」 「……ちょっと。目の前の……夢のような光景に感動してる」  正直に打ち明けると、 「あっはっは」  バスローブ姿の男は闊達に笑った。 「いつもってわけじゃないけど……嫌いじゃない」  真っ白な、脛まで隠す長いバスローブだ。手触りを示すように胸元を撫でて見せて、摂はこちらへ腕を伸ばした。柔らかなタオル地の中の腰を抱き返す。今夜初めて、少しアルコールの染みた彼の舌を味わうことができた。 「……ん」     
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