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汗に濡れる額を手のひらで拭い、かき分けた前髪の隙間にキスを落とす。
「……生きてますか?」
白い肌を、真っ赤に上気させて、息の間から摂が言う。
「…………死んだ。ここは天国?」
「近いかもね。どこか、痛む……?」
「そりゃあ。でもへいき……バカみたいに優しかった、最高」
「……それがこの男の、作戦かもしれない」
本性は、暴君かも。照れ隠しの冗談に摂は笑いながら、気だるそうな仕草でノアの首を引き寄せた。
「そっかぁ、次が楽しみ……」
「次?」
「うん、次……いつかって訊きたそうな顔だね」
「まあ、それは」
「……シャンパンのボトル、もう少しだから片付けるのに協力してくれる?」
「ええ、もちろん」
「アイスも食べよう。一個は俺が無理だから、半分こね。クッキー&クリームって最初から決めてたけどいい?」
「いいよ」
「よかった。そうしたら…………もう一度、して」
「……すべて、仰せのままに」
<終わり>
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