0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ああ、もう彼に会いたくなってしまった。
幸せと寂しさが入り混じった気持ちで空を見上げる。
冬の夜空は真っ暗だ。
イベント終了前の挨拶で彼はいつも感謝の言葉を口にする。
私の方こそ感謝しているのに、伝える手段があまりないのが悔しい。
作品を観て、イベントに参加して、ファンレターを書くことでしか伝えられない。
いつか、
いつの日か、彼に直接会ってこの気持ちを伝えることができたのなら、どんなに嬉しいだろう。
そんなこと、誰かに言ったら無理だよって否定されるに決まってる。
だから、これは自分だけの秘密。
今日はクリスマスイブ。
そっと願ってみる。
いつか彼に直接会えますように。
会えたら、伝えたい。
「あなたの演じるキャラクターが大好きです」
真っ暗な空、星がひとつ煌めいた気がした。
最初のコメントを投稿しよう!