山笑う

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「うわああああ、うっ、えっ、えっ、 ううう、うううえっ、ひっ、くふッ」 我ながら壮絶な泣きっぷりだと思う。 …でも今日は、 今日くらいは許されていいはずだ。 とめどなく溢れる涙で 窒息しそうになりながら私は泣き続けた。 「あらあら、大丈夫? 私で良ければ話を聞いてあげましょうか」 呑気そうなその声に慌てて顔を上げると、 そこにはごくごく普通のオバさんがいた。 若く見えるが多分、オバさんだ。 いや、癒し系でとても可愛い女性だけど、 自信をもってオバさんだと言い切れる。 なぜなら見ず知らずの泣いている女子に 何の抵抗も無く声を掛けられること自体、 オバさんである証拠なのだから。 『どっこいしょ』と呟きながら オバさんはチョコンと私の横に座り。 しかも体をくっつけて来た。 「ごめんなさいね~、 いざ座ってみたらベンチが冷たくて。 こうしてくっつけばアナタも温まるし、 私も温かいから一石二鳥でしょ?」
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