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写らない気持ち
それはある雪降る冬の終わり頃のこと。
僕はその日の学校帰り、綺麗な人と出会った。
B「早く帰って、コタツでゴロゴロしたい……」
そんなことを言っていると河川敷に差し掛かった。
B「……でも雪積もるのも久しぶりだし、少し遠回りしてみるか」
雪が降り積もるというのは近年珍しく、僕はこの景色を目に焼き付けておこうと思ったのだった。
河川敷には桜の木が植えてあり、春には絶好のお花見スポットになる。
その日は蕾が開きかけで薄いピンク色がちらほら目に映った。
そしてその上に雪が積もり、何とも言えないグラデーションだった。
僕はその木々の中でカメラを持った女性を見つけた。
その人が僕に気づいて振り向いた瞬間、僕はその可憐な瞳に目を奪われた。
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