夢の理由

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夢の理由

私の幼いころの夢は宇宙飛行士だった。 何の変哲もない子供の夢。歳を重ねるとともに現実は厳しいと知った私は、気が付くと普通のサラリーマンになっていた。 「はあ。 宇宙飛行士……か」 会社の昼休み。 私は公園のベンチに腰掛けながら、コンビニで買ったサンドイッチを片手に昔の夢について考えていた。 「(本当にあのまま夢を追いかけていたら、今頃宇宙飛行士になっていたのかな)」 すると目の前で遊んでた幼い子供2人が自然と視界に入ってきた。 その幼い子供達は、砂場で遊びつつ何かを話しているようだった。私は盗み聞ぎをするようでいい気持ではなかったが、その会話は思考を遮るように入ってきた。 「ねえねえ、ゆう君は大きくなったら何になりたいの~?」 「僕はね~。 大きくなったら空を旅したいんだ!」 「えぇ! すごーい!!」 可愛い子供の夢。自分も昔はああだったのだろうと思うと、昔のことを考えているのが馬鹿馬鹿しくなってきた。 私はサンドイッチを一気に平らげ、その場を去ろうとする。すると、夢を語った方の子供が衝撃的な言葉を発するのが聞こえた。 「空にはママが待っているからね。 だから空に行けるようになったら一緒に旅をするんだ!」     
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