夢の理由

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無邪気かつ残酷な言葉。幼いながらも現実を受け止め、夢の理由を持っている。 そう考えると自分は何故宇宙飛行士になりたいと思ったのだろう。私は会社へ戻る途中、ずっとそれを考えていた。 「あっ」 私は道の真ん中で足を止める。 「同じ理由だな……」 昔、私は祖父が大好きだった。祖父の姿はいつもベットの上にあり、学校でひとりぼっちだった私の話を常に静かに聞いてくれていた。 普段は祖父の方から喋ることはなかったが、とある日。そうあれはゴールデンウィークの最終日だ。 珍しく祖父の方から私に話を持ち掛けてきた。 「今は分からんと思うが、もうすぐ爺ちゃんは星になる。 爺ちゃんはいつでも空から見守っているからな。 寂しくなったらいつでも空に語り掛けるんだぞ」 「うん! 何なら会いに行くよ、爺ちゃんの星まで!!」 「ははは! なら将来は宇宙飛行士にならんとな」 「(そうだ。だから私は宇宙飛行士を目指していたんだ。 とても大事なことだったのに、何で今の今まで忘れていたのか)」 私はやるせない気持ちで胸がいっぱいになった。 すると、止まってた足を180度回転させ、会社とは全く別の方向へと走り始めていた。 気が付くと辺りは暗くなっており、私はとある家の前まで来ていた。 「はあはあはあ……。 ここだ……!!」     
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