幻の炒飯を求めて

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 気がついたら完食していた。  向かい側を見ればアルフレッドも同じように完食していた。あまつさえ、食べ足りないような表情を浮かべている。 「同じレシピなのに、何が違うの?」  わたしは尋ねた。 「あんなものはただの紙切れだ。あんたも料理人ならわかるだろ?」  と、夏瓜。  うーん、わからん。 「俺は料理人じゃないからわからないけど、ネージュのパンケーキはいくら食べても飽きないな」  アルフレッドが口を挟む。  パンケーキの美味しい店なら他にいくらでもあるでしょうに。 「まあ、愛情だけはたっぷり込めてるからね」  わたしが言うと、夏瓜はニヤリと笑った。
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