4-1 女海賊の島

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「そうそう、<金庫番・ストーム>が昨日釈放されたぜ。1500万リュールの保釈金が必要になったが」  ヴィズルは思わず小さくうなった。  ティレグも同情するように口元へ笑みを浮かべる。 「1500万か。随分とふっかけたな、ツヴァイスの奴」 「仕方ねぇだろ。奴もいろいろ今回危ない橋を渡ったからな。海軍の目を逸らすためにその手間賃と思えば安い方だ」  ふんと鼻を鳴らし、ヴィズルはいまいましげに波間をにらむ。 「俺達だって命かけてるんだぜ。アドビスをひきずりだすためにな」  いきりたつヴィズルをなだめるように、ティレグはその肩を親し気に叩いた。 「ま、文句があるなら本人へ言えばいいさ。ツヴァイスが会いに行くから迎えを寄越して欲しいと連絡してきた」 「本当か?」
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