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「あー。ごめん、忘れてた。
そんなに痛いの?」
そこまで強く投げたつもりは無かったので、ヨハネスに疑いつつ尋ねた。
「えぇ。そんなに細身でも一応男の子ですから。」
ヨハネスが投げられた手鏡を私に手渡し、もう一度自身の姿を見るよう促す。
改めて見ると、本当に綺麗な顔をしている。
髪と瞳は名の通り、透き通った淡い翡翠色。
目にかかる程の長さに切りそろえられた、ストレートの髪が何故か気品を感じさせる。
さらに、小さく筋の通った鼻と、切れ長のツリ目が妖美さまで醸し出す。
残念ながら小さな手鏡なので全身までは見えなかったが、細いわりには骨張った手が、男の子なんだと改めて感じさせた。
折角なので、全身を見ようとベッドから立ち上がろうとすると、ヨハネスに遮られた。
「ちょーっと待ってください。
残念ながら、貴方まだ立てないんですよ。
なので、とりあえず大人しく説明聞いて貰えますか?
……ちょっと?止めてください?
なんですか?なんで手鏡持って構えるんですか?ちょっと!?」
なんかイラッときたので、手鏡を勢いよく投げつけようとすると、視界がグラリと揺れた。
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