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最終章:糞は便所に
迷路があったのだ。189番よ、いよいよ真実が分かるぞ。
パイプで造られた、学校の教室ぐらいの広さの迷路が公園に在る。俺は此処だと確信して迷路公園に入った。
しかし公園内を探し回っても象の滑り台が見当たらない。砂場や雲梯などはあるが、象の滑り台は何処にも無い。
其処へ、地元に住む俺と年齢の近い老媼が子犬を連れて散歩しに公園の中に入って来た。俺は早速老媼に話し掛けた。
「すみません」
「はい?」
「この公園に、象の滑り台はありませんでしたか?」
「ありましたねぇ。でも15年くらい前でしたかねぇ、古くなったので市が撤去したんですよ」
時の残酷さを感じた。
「撤去した際に何かが発見されたって話は聞きませんでしたか?」
「さぁ、聞きませんねぇ」
「象の滑り台はどの辺りにありましたか?」
老媼は指差した。
「ほら、丁度反対側の入り口前です」
「ありがとうございました」
俺は老媼が指差した場所に歩いて行こうとした。
しかし、俺はすぐ立ち止まった。
公衆便所が置かれていた。
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