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「蔵原が荻野を護っていたのはみんな知っているし」 「護る? オレを?」  意味の分からない事を言われたので訊き返すと、宮永が呆れたような表情でこちらを見た。 「蔵原が気の毒だな」  溜息混じりの呟きに、少しカチンときた。 「大体、オレは特に目立っていないし」 「それ、本気で言ってる?」  驚いたような宮永の様子に、こっちが驚く。  そう言えば、さっき山岸にも「浮いている」と言われたばかりだ。  やはり、何か特殊な電磁波でも放出しているのだろうか。 「それじゃ、中等部に中学して割と直ぐに、自分が先輩に狙われていたっていうのも知らないんだろ」 「・・・初耳だ」  なんだ、その異世界の出来事のような情報は。 「その頃の荻野はめちゃ可愛かったから校内で結構有名で、目を付けられるのも早かったんだよな」  どうしよう。  宮永の言っている事が全く理解できない。  一体、誰の何の話をしているんだ? 「勿論、荻野は今も可愛いよ」  オレが怪訝な表情をしていた理由を勘違いしたらしい宮永が、フォローするように付け足したけど、そんな事はどうでもいい。
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