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メッセージ欄の面積のほとんどが空白で、現われた手書きの文字は見た瞬間に頭の中に入ってきた。
メッセージは、 『好きだ』 と一言だけ。
それを正面から見ていたオレも、横から覗き見た周囲の奴らも、皆一斉に動きが止まってしまった。
「・・・告白っすか?」
ギクシャクとした矢野の言葉から、ようやくその場の時が動き出した。
「どうだろう」
と言ってみたものの、この言葉には他にどんな意味があるのだろうか。
「もしそうなら7人目ですね」
妙に冷めた田辺の感想を聞いて、いい所に気がついたな、と感心してしまった。
確かに、これが告白なら7人目だ。
「ラッキーセブンか」
「・・・そういう問題じゃないだろ」
つい口に出ていたオレの不謹慎な呟きに、武威が何故か脱力しまくった様子でガックリと肩を落とした。
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