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はじまり
それは20年前のこと。
オズボーンは期待に胸を膨らませながら、その扉を開いた。
「やあ、オズボーン。あれ? でも、君は確か来週まで旧日本領の遺跡調査に出ていたんじゃなかったかい?」
突然の来訪を受けて、部屋のあるじは少しばかり意外そうにしている。
「途中で切り上げた。それだけの理由ができたからな」
オズボーンは答えた。
ここは世界政府の中心地、セントラルシティ。
その学術機関の工学研究棟だ。
「これを見て欲しい」
そう言ってオズボーンは一つのジェラルミンケースを取り出す。
「驚くぞ」
と、オズボーンはケースを開ける。
洗濯されてない使用済みの服の数々。
もちろん下着も。
さらには日本刀型の耳かき。
そしてモンゴロイド美女の写真集がどっさり。
「……なんだい? これ?」
と、困惑する部屋のあるじをよそに、
オズボーンは慌ててケースを締めて、
「ああ、驚いたなぁ」
と、ひと息ついた。
「……ツッコミどころはたくさんあるが、とりあえずこれだけは言わせて欲しい。……かなり、臭い……」
部屋のあるじは青ざめていた。
「間違った。本当はこっちだ。世紀の大発見なんだ」
そう言って今度は別のジェラルミンケースが取り出される。
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