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解析の結果は断片的であったが、その断片から、オズボーンは仮説を組み立て続けた。
「時に教授。今度の学会発表に向けての論文は完成したんですか?」
「お兄ちゃんって言ってくれたら、書けるんだけどなぁ」
「訴えますよ」
「悪かったよッ。書きますよッ」
そう言いながら、オズボーンはパソコンに向かう。
ディスプレイには『神についての仮説』の文字が見える。
「神様、ですか?」
覗き込んだマーガレットが呟くのに、
「そうだ。俺は『俺好き』の中に、旧時代の『神』についての手がかりを見つけたのだ」
「それはすごい」
「ふふふ。妹パワーというやつだよ」
素早く携帯端末を取り出すマーガレット。
「……あ、もしもし、法律相談所ですか。はい。上司のセクハラがハンパないんですが……」
「マーガレット様ッ。すみませんッ。すみませんでしたッ」
「で、その神というのは?」
「うむ。きっかけはこの文章だ」
そう言って、オズボーンは解析により判明した『俺好き』の文章をディスプレイに表示する。
それは、
《俺は伝説だった。
と言っても、それはM.M.Oの中での話なんだけど》
というものだった。
「M.M.O?」
マーガレットは怪訝そうだ。
「そう。この言葉が不明だった。しかしだ」
「解き明かしたんですか?」
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