慟哭

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「俺が脱藩するって言ったら、お前らも着いて来たがったよな……」 結局、元服前の大木は置いて行く事になり、竹貫と二人で相楽に着いて行く事になった。 「お前は、俺の方が危なくて放っておけないとかほざいてたよな」 相楽の暴走所か、一緒になって暴走しようとする俺達を、竹貫はいつも冷静に止めた。 おかげで命拾いした事も多々あった。 「お前がいたから俺達は生き長らえてきた……感謝する」 金輪は物言わぬ竹貫の首の前で、涙を流す事もなく、昔の思い出に浸っていた。 そして、最後に大木の前に立ち…… 「お前は死んだら駄目だろう……誰があいつを守ってやるんだ?」 金輪達が下諏訪に着いた時には椿の行方はわからなくなっていた、明日には追放処分となる赤報隊士達が、各藩士に連れられて、ここから去る予定だと村人から聞いた。 何とかして、その前に話を出来ないかと模索していると…… 「金輪さん!ヤバい!誰か来た!?」 「……っ、わかった!今から戻る!?」 今はまだ、捕まる訳にはいかない、金輪はもう一度だけ後ろを振り向き、矢来を乗り越えた。
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