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お菓子を作りたい
子どもの頃、家で作るお菓子といえば固いドーナツか鍋焼き(とうちでは呼んでいた。もっちりしたパンケーキにちかいが全く違うモノ)、お正月につくお餅、それを乾燥させて薄く削って揚げるあられくらいなものだった。これが昭和一桁生まれのおばあちゃんが作れるお菓子のレパートリーの全部だ。
手で生地を細長い棒状に伸ばして端をくっつけて揚げるドーナツ。ドーナツショップで食べるようなふんわりした食感には程遠い。どちらかといえばサーターアンダギーに近い。これはこれで美味しくて好きだったが、揚げている間に油の臭いに酔ってくる。
小麦粉、砂糖、卵を混ぜてフライパンで薄く丸く焼くだけの鍋焼き。おやつが何もない時にはこれをよく作ってもらった。でも市販のホットケーキミックスを買うようになってからは、そういえば食べてない。
お餅は暮れの30日と旧正月の2回つく。前々日にもち米を洗って水に浸す。前日はストーブの上で餡子を炊く。そして当日は朝から蒸してついて丸めての大忙し。これをお菓子と言っていいかどうかわからないけれど、餅つきの匂いを嗅ぐと大晦日が来るなぁという感じだった。
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