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「どうした?ナオ」
マコは不思議そうに首を傾げる。ったく、どうした?じゃねぇよ……。
「いい加減、告白の返事を聞かせてくれねぇかな?」
態度に出すつもりはなかったのに、つい荒っぽく言ってしまった。
俺がちょっと後悔してるのもお構い無しに、マコは待ってましたと言わんばかりにニンマリ笑って、1冊の本を差し出した。
「はい」
「バカにしてんのか?」
意味不明にも、程がある。
「真剣な返事なんだよ」
マコが切なげに言うモンだから、渋々本を受け取る。
ポケットに入りそうなサイズで、厚さはそんなにない。タイトルは“お へ ん じ”で、作家名は海底金魚。
そういやコイツ、金魚飼ってたっけ。
「読み終わったら、声かけてくれ」
マコはそう言って、再びヘッドホンで耳を塞ぐ。
「訳わかんねぇ……」
不満に思いながらも、俺は前の席の椅子を引っ張ると、その上にまたがって本を開いた。
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