海(後編)

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次の日ーー 「この度は、誠に申し訳ございませんでした」 平身低頭の磯谷さんに微笑んでお礼を告げ、一行はWリゾートを後にした。 「…色々あったけど、海、楽しかった。 また、来ようね」 小さく言う葵に、貴司は微笑む。 「そうか。 …次は絶対にそばから離さないから」 「貴司…」 「目も、手も、カラダもーー絶対離さない」 葵は目を潤ませて、頬を染めた。 「二度と、葵に怖い思いをさせたくないから」 「…助けてくれて、ありがとう。 貴司も、内藤さんも、光も…」 内藤は微笑み、光はパッと笑った。 「俺たちで守る」 「ええ、守ります」 葵は頷くと、貴司の手を握った。 Wリゾートの出口に差し掛かると、あの男ーージョシュが立っていた。 「あ」 「ジョシュ、お前なんだよ」 貴司はジョシュとは高校生頃から年に1回ここで会って、お互い顔見知りだったらしい。 葵に会う前の、その頃の貴司は女遊びが激しかったから、今回の騒動にもなったのだ。
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