545人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
次の日ーー
「この度は、誠に申し訳ございませんでした」
平身低頭の磯谷さんに微笑んでお礼を告げ、一行はWリゾートを後にした。
「…色々あったけど、海、楽しかった。
また、来ようね」
小さく言う葵に、貴司は微笑む。
「そうか。
…次は絶対にそばから離さないから」
「貴司…」
「目も、手も、カラダもーー絶対離さない」
葵は目を潤ませて、頬を染めた。
「二度と、葵に怖い思いをさせたくないから」
「…助けてくれて、ありがとう。
貴司も、内藤さんも、光も…」
内藤は微笑み、光はパッと笑った。
「俺たちで守る」
「ええ、守ります」
葵は頷くと、貴司の手を握った。
Wリゾートの出口に差し掛かると、あの男ーージョシュが立っていた。
「あ」
「ジョシュ、お前なんだよ」
貴司はジョシュとは高校生頃から年に1回ここで会って、お互い顔見知りだったらしい。
葵に会う前の、その頃の貴司は女遊びが激しかったから、今回の騒動にもなったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!