海(後編)

13/14
545人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
ジョシュは、キチンと立つと、ぺこっと頭を下げた。 「本当に悪いことした。ごめん」 「…もういいよ。お前もいい女見つけろよ」 葵を自分の背にかばうようにしながら、貴司が淡々と告げた。 「アオイちゃん…本当に、ごめん」 ジョシュが歩を詰め、貴司の肩越しに覗き込むように葵を見つめた。 「ちょ…葵に近づくなよ」 貴司がジョシュの肩をドンと押す。 「アオイちゃんに許してもらわないと…俺…立ち直れそうになくて」 ジッと見つめられて、葵が震えながら声を出した。 「あの、もういいです」 ジョシュがパッと顔をほころばせた。 「ホント?」 面白くなさそうなのを必死で我慢している顔で、貴司と光が葵を見つめる。 葵はコクンと頷いた。 「はい、もう…」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!