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待ち人、未だ至らず
僕たちは、その瞬間を待っている。
「おっつきさーまーきーらきらー、あっまーのーがーわーあ」
「…なんだその歌」
「待った?」
「いや、今来たとこ」
空いっぱいに星が光る11時、僕たちはコンビニで待ち合わせた。
学生が制服姿で出歩くにはやや人目をはばかる時間帯ではあるが、一昔前なら通報補導連絡説教というエスカレーターに乗ることにもなったであろう行為も今どき誰が咎めるでもない。
フキョーだのフケーキだのシューショクナンだのカブカボーラクだので散々世間を擾乱してきた大人世代が、ゼツボー的な将来に悲観した僕らをどの面下げて咎めだてしようというのか。
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