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エリックはリュックサックをしょって、家を飛び出るとドリーム小道を歩き出しました。
小道の脇には小さないろとりどりの花が春風の伴奏に合わせて歌を歌っていました。
「エリックじゃない。こんにちは。そんなに急いで何処へ行くの?」
お友達の真っ赤なお花のチューリップちゃんが話しかけました。
「モグラーニ博士のところへ行くんだよ」
するとチューリップは急に顔色を変えました。
「それはだめよ、モグラーニ博士はとても恐ろしい博士だと聞いたことがあるわ。それに、博士の家の傍には、穴がいくつも空いていて、怪物が住んでいるのよ。悪いことは言わないわ、すぐにひきかえしてちょうだい」
「僕は怪物なんか怖くないんだよ。それよりね、お兄ちゃんの時計を壊してしまったんだ。どうしても直してもらわなくてはならないんだよ」
「どうしても行くというの?」
「うん」
エリックは「よし」と小さく呟き、再び歩き出しました。
チューリップはすぐにエリックの家のお母さんの元へ花粉を飛ばし、報告しました。
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