39人が本棚に入れています
本棚に追加
それでもモノは試しだという。
そもそも、何故あの奇抜な彼女が僕に声を掛け、
何のサークルに来いと命令したのか。
彼女の行動には、謎が多すぎた。
その謎を知るためにも、そのモノを試してみるためにも、
今日は行かねば、という感情が、僕の中で勝利したのだった。
そして何よりも、彼女から、あの濁った水色を感じたこと。
あそこまではっきりと色を感じたことは今まで無かった。
しかも、綺麗で透き通るような水色ではなく、
少し黒い絵の具を足し始めたような濁り。
気になることばかりだった。
しかし、ずっと講堂付近を彷徨いていても変に思われるだろう。
僕の足は、いつもの喫煙所に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!