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「あ!君!君でしょ!今日来るって子!」 あの男が満面の笑みを浮かべながら、僕に走り寄ってきた。 「どなたですか?」 と言った僕の顔が、よほど怪しい人間を見るような眼差しだったのだろう。 男は、「怪しいものじゃないよ」とでも言いたそうに、 両手を挙げるジェスチャーをしながらも笑顔は崩さず話を続けてきた。 「奇抜なカメラくんだよね?今日18時に講堂に来い。って。 チンチクリンから言われてない?」 チンチクリンという説明はよく分からなかったが、 おそらく彼女のことだろう。
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