39人が本棚に入れています
本棚に追加
それから脳内に音沙汰は無く。
全てが、僕一人による、僕の為の、僕の感情になった。
つまり最終的に、僕が傍観者となったのは、
天使でも、悪魔でも、誰の所為でもなく、
ただ僕の所為となった。
しかし、誰の所為でもなく、全てが僕の所為だと思うことで、
何故か心は軽くなった。
普通であれば、ここは気が重くなる所なのだろうか。
僕は普通な人間ではないのだと、自分でも思う。
未だに、目の奥底のどこかで、
点滅信号のようにピカピカと光る赤いライト。
耳の奥にもこびり付くように、
あの甲高いサイレン音が残っている。
僕は一体、彼女の何だったのか。
時折そんな事を考えはするが、恐らく何者でもない。
ただの傍観者だろう。
最初のコメントを投稿しよう!