第七章  黄金の犬

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2代目の柴犬ハッピーは、凶暴で我がままだ。 叱ろうと手を伸ばすと、間髪入れずにその手を噛む。 エサで釣って教育しても、進展が遅い。 可愛いのはハッピーが睡魔に襲われ、眠む過ぎて噛みつけなくなった時だけだ。 今日もコッソリ私のバナナをかすめ取って、皮ごと食べていた。 大笑いしたり驚いたり、ハッピーは、私の心をアドベンチャーワールドに連れて行く。 よく考えればハッピーも神様の使いなのだろうと、気づく。 どうしようもないハッピーに振り回されてから、いろいろ悩む時間が減ったのだから。
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