第八章  ドッグラン

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第八章  ドッグラン

 生まれて初めてドッグランに行った。 平日の午前中とあって、その場所にはハッピー以外犬は一匹も居なかった。 良い様な、悪い様な・・・ 行ったことも無い広い敷地の中にポンと放されたハッピーは、へっぴり腰で1分くらい ジイッと座っていた。 ハッピーは、我が家で稼働している掃除機を初めて見たときの様な、恐れに満ちた顔を していた。 どうしたハッピー? お前らしくないぞ! そう思っていた矢先、スクッとハッピーは立ち上がった。 ハッピーは2分くらい近場をクンクンと嗅いで、神妙に何か調査していた。 それが終わると、いつもみたいな元気一杯のハッピーに戻り、好き勝手に駆けまわりは じめた。 オイオイ、調査はそんなのでいいのかい? 「いいんだよ、文句あるか!それよりさ、良いじゃん、ここ!」 何だかハッピーの嬉しそうな声が聞こえてくる。 ハッピーの駆け回る範囲は、ドンドン広がる。 ハッピーの中の野生が、鮮やかに目覚めて行く様だった。 この敷地の中に家を建てたら、ハッピー喜ぶだろうな。
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