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第三章 出会い
我が家に、新しく仔犬がやって来た。
物心つく前から犬を飼い続けていたので、犬の扱いは解っていると思っていた。
しかし、コイツには手を焼くことになる。
(どうして、コイツにしたんだろう?・・・)
以前飼っていた犬が天に召されて、重篤なペットロスになっていた私は、思い切
ってもう一度、犬を飼うことにしたのだった。
随分、それまでに時間はかかったが。
本当は、保健所で犬を引き取るつもりだったが、いろいろあってペットショップ
で購入することになった。
「こちらで以前、犬を買いました。とても長生きしました」
ペットショップを訪れた私は、言わねばと思い、オーナーに話しかけた。
「そうですか、ありがとうございます」
このペットショップで購入した犬は元気で長生きする と、やっぱり近所でも評判
だった。
店内の子犬を見て熟考の結果、茶色のメスの柴犬を一匹購入することにした。
可愛いし、以前うちにいた犬と同じ、それが良いだろうと思った。
オーナーは、その仔犬を私の近くに運んで来た。
でも、不思議なことが起こった。
「では、これに記入してください」
オーナーがそう言って、契約書の前で呼んでいるのに、席に着きたくなかった。
「・・・・」
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