第三章  出会い

1/3
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

第三章  出会い

 我が家に、新しく仔犬がやって来た。 物心つく前から犬を飼い続けていたので、犬の扱いは解っていると思っていた。 しかし、コイツには手を焼くことになる。 (どうして、コイツにしたんだろう?・・・)  以前飼っていた犬が天に召されて、重篤なペットロスになっていた私は、思い切 ってもう一度、犬を飼うことにしたのだった。 随分、それまでに時間はかかったが。  本当は、保健所で犬を引き取るつもりだったが、いろいろあってペットショップ で購入することになった。 「こちらで以前、犬を買いました。とても長生きしました」 ペットショップを訪れた私は、言わねばと思い、オーナーに話しかけた。 「そうですか、ありがとうございます」 このペットショップで購入した犬は元気で長生きする と、やっぱり近所でも評判 だった。  店内の子犬を見て熟考の結果、茶色のメスの柴犬を一匹購入することにした。 可愛いし、以前うちにいた犬と同じ、それが良いだろうと思った。 オーナーは、その仔犬を私の近くに運んで来た。 でも、不思議なことが起こった。 「では、これに記入してください」 オーナーがそう言って、契約書の前で呼んでいるのに、席に着きたくなかった。 「・・・・」     
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!