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「・・・・」
オーナーは、黙ってテーブルで待っていて、私はその近くに立ちすくんでいた。
オーナーから見たら、?の客だったろう。
私は、他の仔犬がいるゲージを、なんとなく振り返った。
すると、
「えっと、黒い子、まだ見ていませんでしたね。見てみますか?」
!!! とひらめいたオーナーは、黒柴のメスの仔犬をすかさず抱っこして来た。
私は、黒柴は趣味ではなかった。
(・・・・)
「この子にします」
そう言えば、ペットショップのオーナーは、引き渡しの時、
「噛みますから」
と、言った。
(知っていますよ。仔犬は、新しい歯が生えてくるので、甘噛みしたくなるんです
よね)
私はそう思いながらも、その時のオーナーのチョッとすがるような目が、引っかか
った。
(・・・気のせいだろう)
大抵、そういう風に自己暗示をかける時は、気のせいでは無い。
仔犬は、ハッピーと名付けられた。
でも、コイツは、アンハッピーな所がかなりあった。
最初のうち、新しい我が家の環境に慣れるまでは、おとなしかった。
数日たった頃か・・・
規定量のエサを与えているのに、それを食べ終わるとすぐに、
「こんな少しか? 足りないだろう!」
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