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第五章 ニラまんじゅう(不潔表現あり)
寝室のベッドで気楽に食事をしようと、私は思った。
どうして、そんなことをしようと思ったのだろう?
ああ、ひとりドッグカフェをしようと思ったのだった。
今夜の夕飯を大盛りついで、2階の寝室に向かった。
ハッピーは、そこで好き勝手に遊んでいた。
犬用のぬいぐるみから綿が出て散乱していたが、まあ犬のことだから仕方なかった。
ローベッドのまわりには、柵が張り巡らされてハッピーが入れない様にしてある。
ハッピーは時々、くわえていたぬいぐるみを振り回して、柵の中に飛ばすことがあ
った。
そういう時は、困った顔で家族を見て、それを取って欲しいと訴えた。
私はベッドの枕元に、美味しそうな料理が乗ったトレーを置いて、下の部屋にお
茶を取りに行った。
お茶をついで、ほんのちょっと家族と雑談した。
そして、2階の寝室に戻って、
「ウャア~!」
私は叫んだ。
ベッドの上の、小さくて黒い化け物と目が合っていた。
本当に化け物に見えた。
ソイツの足元にある食器は、洗った様にピカピカに舐められて、楽しみにしていた
ニラまんじゅうは、勿論無くなっていた。
「何でそんなことするの!」
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