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てっきりこのまま社長を質問攻めにするのかと
思いきや、母は突然自分語りを開始した。
「ごめんなさいね、羽柴さん。
初対面で不躾だとは分かっていますけど、でも
どうしても私はアナタを100%信用すること
が出来ないのよ。…その理由を今から述べるわ」
「はいっ、どうぞ」
背もたれに寄り掛かり、ふんぞり返っていた母
はピンと背筋を伸ばして座り直し。そして記入
途中のアンケート用紙数枚を手に取る。
「お父様が羽柴裕作…って、あの?」
「ええ、あの羽柴裕作です」
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