1人が本棚に入れています
本棚に追加
由美子は隣の佐知江と、立ち話をしていた。
五歳上だが、気の合う女性であった。
「でね、河野さんったら可笑しいのよ」と佐知江はご近所話に夢中だ。
「へえ」と由美子は応えていたが、頭の中は手紙の彼の事で一杯だった。
そして話が途絶えた瞬間に、尋ねてみた。
「ねえ、私よく知らないんだけど、最上階の方ってどんな人が住んでるの?」
すると佐知江は「どうして?」と聞き返した。
「ほら、あれじゃない。上は見晴らし良さそうだし、値段が少し高いって聞いたから有名人がいるのかな?なんてね」と苦しい言い訳だ。
しかしそこは喋りたがりの佐知江で、色々と教えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!