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二通目の手紙はこうだった。 " 愛しの由美子さんへ。 またのお手紙をお許し下さい。こんな事はいけないと思いつつ、日増しにあなたの思いが募るばかりなのです。あなたの素敵な笑顔をいつまでも見ていたい!どうか不愉快に思わないで下さい。 フロアーセブンより " 「はあー」由美子は顔がほころんだ。 笑顔が素敵? そんな事、言われた事もなかった。 孝からは逆に、笑った顔が怖いと言われ、よく喧嘩になったものだ。 とにかくどんな人なのか?一度見てみたい。 そして隣の佐知江へケーキを焼いたと口実に、情報をもう少し詳しく聞き出す事にした。 一人は山下 浩一さん。二十五歳で役所に勤める彼は、眼鏡を掛けてぼてっとしてる感じとタイプではなさそうだ。 そしてもう一人が小田切 誠さん。 二十八歳で駅前のジムに通うインストラクターで、中々の好青年らしい。ほおーっ。
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