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その時の浩一は、雷を撃たれたかの様に動けなかった。 それから彼女の事を、少し調べてみた。 するとどうやら、由美子と言う名前がわかったのだ。 今まで同じマンションに住んでいたのに知らなかったなんて! それ以来、浩一は由美子の事ばかり考えていた。 そしてゆくゆく考えた末、手紙を書く事に決めたのだ。しかし、顔も名前も知らない男から告られても驚くだろう。 浩一は少しずつ書いて郵便受けに入れ、信用を得ようと訳の分からない事を考えついたのだ。 そして昨晩、初めて手紙を書いた。 「由美子さん、読んでくれただろうか?」 浩一はそう考えながら、役所のロビーに入って行った。
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