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  「父上!」 「ルクス、姫を守るのだ。侯爵の援軍を呼ぶ使いを出した。なんとしても姫を守らなければならない」 「はい!」 「鎧を着て、剣を持て!」  自室へと走った。まだそこまで敵は入り込んでいない。 「エレナ!!」 「ルクス様! お城はどうなっているのですか!?」 「蛮族が攻めてきている。エレナの父上にも援軍を送ってもらうよう使いを出した。いつでも城を抜けられるよう支度をするんだ!」 「はい!」  エレナの小間使いもすぐ部屋に来た。身の回りを整え支度を手伝っていく。 「シャーロット、お前も一緒に行くんだ。もし僕とはぐれてもエレナから離れるな! 護衛もつける。僕もそばで戦う。はぐれたらフェーレの丘のリンゴの木の下で会おう!」  言いながら甲冑をつけ、剣を取る。ドアの外にはエレナ付きの兵が来ていた。 「ラーナー! 兵を2名付けてエレナを守れ! 侯爵様からの援軍が来るまでなんとしてもエレナに傷一つ付けるな!」 「仰せの通りに!」  ルクスは剣技に長けていた。廊下の向こうから走ってくる敵に躊躇わず頭から剣を打ち込んだ。 「行け! ここは僕が守るっ!!」 「はい!」  エレナに追いつかねばと思うが、次から次へと敵が現れた。 「いつも叩き出されるが、今夜はあちこちと手を組んで来たんだ。こんな城など一捻りだ!」  その胴を横に薙ぎ払う。返り血を浴びて青い目を爛々と輝かせるルクスは、まるで若い軍神のようだった。  
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