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   城に入りすぐに乱戦となった。ルクスの腕からも血が流れたが気にもならない。 「父上ーっ!!」  応えの無い父の姿を追い求めた。 「ルクス様っ! 城から落ち延びてください! 父上は私が探します、まずあなた様が先にお逃げくださいっ!」 「敵に後ろを見せられるかっ!」 「聞くのです!! もし、もし父上に何事かあればあなた様が伯爵です。私たちはあなたを失うわけにはいかないのです!」 必死の形相で頼むと言う家臣に、ルクスは頷いた。 「父を、頼むっ!!」 「お任せを!」  城を落ちようとしたルクスの頭に突然一つの顔が浮かんだ。 (ノクスっ!!)  地下への入り口に近づくと、それは開いていた。 「ノクスっ! 無事か!!」 「ルクス!!」 「邪魔だっ、どけっ!!」 「どきません、ノクス、逃げ……」  オードリーの声が途中で消えた。 「オードリー! どうしたの!? カロレッタ!」 カロレッタの声も聞こえない。 「こりゃ……」 赤々とたいまつが揺れている。 「美人じゃねぇか」 ノクスに手を伸ばそうとするその後ろから切りつけた。 「て…てめ…ぇ……」 そのまま倒れる男の体を飛び越した。 「ノクス! 僕と一緒に逃げよう!」 「ルクス? カロレッタは? オードリーは?」  
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