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君を待つ人のもとへ逝ってはいけないよ。
そう言ったのにあっさりと君は逝ってしまった。
君がいなくなったら僕に話しかけてくれる人なんていないじゃないか。君の娘の出不精具合は、君が一番よく知っているんだろう?
君はさ、自分勝手だ。逝ってしまった後、取り残される僕のことを全然考えていなかっただろう?
話し相手もそうだし、僕の身の回りのお世話をしてくれる奴だっていないんだ。僕がいつもいつも、君を待ち遠しく思っていたのを、君は知らないんだろうね。
だ、け、ど!
これからは一緒にいられると思ったら大間違いだ。君は僕の下でマサキとイチャイチャするつもりなんだろう。二人で末長く、永遠に。僕が風化しても君たちはずっと一緒だ。
羨ましいと思うくらいはいいよね。マサキはずっと君を待っていた。僕だって負けず劣らず待っていたんだけど、君の眼中に僕は映らない。
僕はまたこれから、君以外の誰かの訪れを待たなくちゃいけない。
墓石の下で眠る君とマサキに会いに来る人間を。
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