0人が本棚に入れています
本棚に追加
壺の蓋が開けられる。壺を包んでいた布にその中身が写される。
枯れ木を真っ白くしたようなそれ。
もう何年も前に見たマサキと同じそれ。
布で包まれて、僕の下へと埋められる。
いつか一緒になりたいと言っていた君。どうだい、マサキの隣での寝心地は。
問いかけたって君は聞く耳を持たない。
ずっとずっとそうだった。僕の言葉は一編たりとも届かない。
ひんやりとした石の下で君は君の望み通りにマサキと一緒になったね。
君の娘が目玉ごとこぼれちゃうくらい涙を流してる。君の友人が思い出を語っては嗚咽を漏らしている。ようやく泣き止んですやすやと寝こけている君の孫は君の事を覚えていないんだろうね。
最初のコメントを投稿しよう!