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そのような崇高さすら覚えるに値する香しい秘密の塊が、何一つ話さず佇んでいるときでさえ溢れんばかりの知性に取り巻かれた人物の手の中にあるのだから、それが発散する雰囲気はもうほとんど凄まじいほどで、創作にふけるときを除けば、頭の固いリアリストである私に、かくも美しく、ともすれば、そら恐ろしいほどの感動を与えるような、天上のメロディーをかすかにだが幻覚させるのだった。
男との会談を重ね、その神秘の旋律に幾度となく魅了されるにつれ、私はある奇怪な、しかし重大な事実を発見した。あの美しい──このような陳腐な言葉で言い表せるものでは本来ないが、紙の上では残念ながらそう言うしかない──旋律は、どうも私の幻聴などではなく、実際に鳴っているようなのだ。それも、あの古書から。
結論を言えば、男と古書とのあまりに美しい調和を成す光景が、私の集中力を一点の曇りのない刃のように研ぎ澄ましたことで、本来聞き取ることなどとんでもないほどかすかな旋律が、私の鼓膜にまで到達することを可能にしたらしい。
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