61人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
6 テレパシー?
あぁ、予想以上にキツかった。
真友子は、帰り着いたマンションの玄関で肩を落として大きく息をついた。
今回の失敗は、単なるコンペでの「敗北」だけで済まないことは十分すぎる
ほどに分かってはいた。
何しろ事は、通常よりも大きいプロジェクトの規模のみならず、
あのメーカーの傘下すべてを纏めてコンサルティングするという
アイデア自体、こちらの営業が根気強く先方に持ち掛け続け、
ようやく実行へと駒を進めることが出来た企画だ。
それをほんの小さなミスから中核となる仕事を失い、結果、完全に
担当営業の顔を丸潰れにしてしまった。
今度ばかりは、さすがの真山課長も「ドンマイ」で済ませてくれない
わよねぇ。
この予想通り、月曜の朝一番で出張明けの営業担当を訪ねた時は、
まさに斬首台に登った気分だった。
最初のコメントを投稿しよう!