きみと捲れば何百回も

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「またそれ読んでんの?」 「うん、これ面白いんだ」  僕の言葉に優ちゃんは「フーン」なんて大して興味なさそうに言って、僕の持ってる本を覗き込むように僕の隣にしゃがみ込んだ。 「世界の妖怪……ねぇ」  私にはわかんない世界だわ。なんて言いながら、でも優ちゃんは僕が次のページを捲るのを待ってるみたい。 「妖怪だけじゃなくて妖精とかもいるよ?」 「そりゃファンタジーですこと」  また、優ちゃんのあんまり興味なさそうな声。  もしかしたら自分の好きなものをこういう風に言われたらちょっとくらいは微妙な気持ちになるのかもしれないけど、優ちゃんのこういうところはあんまり気にしたことはなかった。優ちゃんがそんな風に言いながら僕に付き合ってくれることをわかってたからかもしれない。 「ねえねえ見て、優ちゃん、世界にはこんな妖精もいるんだよ」  すごいよね。と優ちゃんを見ながら笑うと、優ちゃんも呆れたように小さく笑った。 「そーね、この子は可愛いと思うよ」 「ね、そうでしょ? 優ちゃんなら可愛いって言うと思ったんだぁ」 「あは、なにそれ。アンタいつも私のこと考えてるの?」
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