【大人百合】エクスタシー

１

　ビクンッと、俺の身体が震えた時、恥ずかしさで頭が考え事から戻ってくる。痴漢の指先がシャツの上から乳首に触れる。乳首はカノジョに愛され弄(いじ)られ、とても感じやすい場所になっていたのだ。それどころか全身がカノジョに毎日のように愛され……。
　毎日乗る通勤電車の中で、性的興奮が他人から与えられる。キュロットが捲(まく)られ、指が下着の中へと入ってくる。カノジョとの妄想で濡(ぬ)れたヴァギナに触れ、指先が挿入される。シャツの上から乳首を摘まんでくる。
（ち、痴漢ってこんなに大胆なものなのか？）
　動揺しながら身体を捻(ひね)るが、その程度の動きで他人の手は動きを止めたり、引っ込んだりしなかった。
　急行列車は駅を通過する。ガラス窓に映る俺の姿。胸には誰かの手が触れている。窓の向こうから見える訳がない……でも俺は動体視力がいいからいつも電車内が見えていたよなと思う。途端に恥ずかしさが全身を駆け巡る。指先は大胆にもシャツのボタンを外し、肌に触れてくる。そして平な胸と小さな突起に。どうにかしないとと考えてながら、身体は快楽に弱く、俺はただじっと立っていた。ヴァギナを弄(いじ)る指先はヌルヌルした俺の分泌物を絡ませてクリトリスに少しだけ触れる。指が抜かれ、ほっとしたのも束(つか)の間(ま)、再び前から下着の中へと潜んできた。
（どうしよう……）