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 俺の身体がさらに固まる。男の手が胸に触れる。平らな胸の肉が揉(も)まれ、乳首が摘ままれる。ママの胸とは全く違う脂肪が付いていない真っ平な胸。小さな乳首。正直、男がどうしてこの胸に固執するのか分からない。自分で触れても気持ち良いとは感じない。腰を揉まれているような感覚。乳首に至っては摘ままれてもちょっと痛くて不快だ。エロ本に書いてある乳首に触れる時の文章を思い出すが、そんな艶のある感覚は俺に訪れるない。不快な痛み。さっさと終わらせてくれという思い。  男の手がするすると下に動く。下半身へと、ズボンと下着を越え、下腹に触れる。  くすぐったさを感じて俺は身体を堅くする。吐息すら我慢する。襖(ふすま)は薄く、ママは隣の部屋、すぐ側(そば)で寝ている。起こしてはいけない。絶対に。と思った瞬間、太い指先が茂みの中にある小さなクリトリスに触れ、俺の身体がピクンッと揺れる。クリトリスは体の中で一番感じやすい部分だ。股を開き、自分で性器を初めて見た日を思い出す。背中を丸め、手鏡で覗(のぞ)く。陰毛がまだ生えていなかったあの頃。クリトリスとヴァギナと尿道と肛門が別々にあって驚き、じっと見る。その時のクリトリスは小さく、なんだか分からない皮の集まりだった。その小さな皮が、そして皮の下にあるクリトリスが強い刺激と快感もたらすと知ったのは、このママの恋人が蒲団(ふとん)に入り込んできた後だった。
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