188人が本棚に入れています
本棚に追加
/527ページ
まあ、SNSを見られても、コミュ障な私は大して何もつぶやいていないし、それに関しては、特に問題はない。
「あれ、でも、今更見られてもまずいものって、ないのかも。だって、大鷹さんにはすでに私が腐女子だとばれているわけで、腐女子以外で私が隠したいことって……」
あきらめて自分のスマホを大鷹さんに献上した私は、ぼんやりと大鷹さんが私のスマホの中身を確認するのを眺める。当然、私も大鷹さんにパスワードを教えている。
「予想通りのスマホの中身でしたけど、紗々さんって、自己申告通り、本当に友達がいないんですね」
なんだか、親が子供の人間関係を心配しているような感じで、大鷹さんにスマホの中身の感想をつぶやかれる。
「ほ、他に感想はないんですか?」
「ありませんよ。ご自分でも呟いていたみたいですけど、やばい画像などはすでに予想済みで、驚きません。むしろ、連絡先の件数のあまりの少なさに、なんだかこちらが悲しくなってしまいました」
どうやら、私たちの間に隠し事はないようだ。私は大鷹さん以外に男も女も作る気はないし、彼の方も同じらしい。
広告動画で、商品を使うための最初のきっかけである浮気は、私たちには程遠い出来事だった。
最初のコメントを投稿しよう!